二つの組み合わせ
山口長男
制作年 | 1954 |
---|---|
材質、技法 | 油彩、合板 |
寸法 | 181.0 × 181.0 cm |
著作権 | © 2024 Takeo Yamaguchi |
1902年京城府(現ソウル特別市)生まれ。中学の時より絵画に関心を持ち、東京美術学校に入学。1927年に渡仏し、パリで時間を共にした佐伯祐三や彫刻家オシップ=ザッキンらとの交流を通じて対象の骨格・実体を捉える制作志向を強め、独自に非具象的な表現を探求した。日本における抽象絵画の先駆的画家として評価される。プリミティヴかつ堅牢で動感にみちた山口の作品は海外からの評価も高く、第3回サンパウロ・ビエンナーレ(1955年)、第28回ヴェネツィア・ビエンナーレ(1956年)などの国際展にも多く参加した。
限られた色しか用いず形を厳しく追求した山口独自の抽象の世界は、1950年代から顕著となり、《二つの組み合わせ》(1954年)はその初期に当たる作品である。本作品では、黒の地色に赤茶色の形が描かれている。この事物の根源的な実体を捉えるべく生まれた明快なフォルムの構成は、1960年代以降には画面全体が色面に覆われ、絵肌の凹凸や裂け目といったマチエールが強調されるようになる。