レンガの単体 No.1050-a,b,c,d
高松次郎
制作年 | 1971 |
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材質、技法 | レンガ |
寸法 | 6.0 × 21.5 × 10.0 cm (each) |
著作権 | © 2024 The Estate of Jiro Takamatsu/Courtesy of Yumiko Chiba Associates, Tokyo, Pace Gallery, New York and Stephen Friedman Gallery, London. |
1936年東京生まれ。1954年、東京藝術大学に入学し、小磯良平に師事する。大学卒業後はサラリーマンとして仕事をする一方、1963年に赤瀬川原平、中西夏之とハイレッド・センターを結成し数多くのパフォーマンスを展開した。ハイレッド・センターの活動は赤瀬川原平が起訴された千円札裁判を機に収束し、高松は個人の活動にシフトしていく。代表作である《影》シリーズの制作を経て、1969年頃より、高松は「単体」シリーズにおいて木や石といった自然の素材を用い始める。《レンガの単体》はそのシリーズの一部である。
この作品で高松は自然の素材の一部を加工し、また元に戻すことで、状態は変わっても総体としての物の存在は変化しないことを示した。ここには活動初期から一貫する、自己同一性の問題が取り上げられている。その後も高松は現実生活において出会った現象、事物、事件などを、独自の思考プロセスを経て概念化し、方法、スタイルともに多彩な作品を展開して根源的な問いを放ち続けた。