無題
金山明
制作年 | 1976 |
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材質、技法 | アクリル、カンヴァス |
寸法 | 140.0 × 140.0 cm |
著作権 | © 2024 Kanayama Akira and Tanaka Atsuko Association |
1924年兵庫生まれ。1947年に多摩美術大学を中退、大阪市立美術研究所に学ぶ。ここで後に妻となる田中敦子と出会う。1952年に、同研究所で学んでいた村上三郎、白髪一雄等とともに「あらゆる芸術は無から始まる」との考えから名付けられた0会を結成、絵の要素を極度に切り詰めた先鋭的な絵画表現を推し進めた。1955年には0会を解散して具体美術協会に参加し、黒い足跡の上を鑑賞者に歩かせる作品や、自走する玩具の車に描かせた作品などそれまでの美術表現には見られない斬新な作品を発表した。1965年に田中敦子とともに退会するまで吉原治良を補佐しながら活動を続けた。
具体を退会した後は、暫く発表活動を休止し、銀河や惑星と地球との相関を図形や数値で現す絵画などを発表した。初期から晩年に渡るまで金山の表現は多岐に渡ったが、生涯を通じて線と色彩が生み出す極小の世界と、不可視の普遍的な極大の世界を結びつける試みを続けた。
《無題》は発表休止時期にあたる76年に制作された作品である。厳格な正対称な構図と静かな色彩の響き合いから感じ取ることができる、線、形、色などの造形的世界と、赤い円から導き出される宇宙の図形的表現。この二つの位相が編み込まれた本作品は、金山作品表現の一つの極限に位置付けることができる。