作品
松谷武判
制作年 | 1964 |
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材質、技法 | ミクストメディア、カンヴァス |
寸法 | 65.3 × 53.2 cm |
著作権 | © 2024 Takesada Matsutani |
1937年大阪市生まれ。当初日本画の勉強をしていたが、1960年に元永定正の紹介で具体美術協会に参加。1962年頃から、戦後間もなく開発された木工用ボンドを使い、素材そのものが形作る有機的なフォルムを取り入れたレリーフ状の作品を発表し始める。画面の上に膨らんだり垂れたりしている官能的な形と質感は、具体美術協会のリーダー吉原治良に高く評価された。
29歳でフランス政府給費留学生として渡仏し、S・W・ヘイターの版画工房に入門。パリにアトリエを構え、1980年頃からは作品の表面を鉛筆で塗りつぶした作品で、モノクロームの独自の世界を切り拓き、現在もパリを拠点に自身の表現の可能性を拡大し続けている。
《作品》は、1964年の作品であり、松谷がようやく具体美術協会の正式会員として認められ、ボンドを使用した制作方法が成熟してきた時期の作品である。ボンドが作り出す官能的なテクスチャからは、松谷が作品を作る際の直感が画面上に定着している様子を見てとることができ、松谷作品特有の緊張感を味わうことができる。