※入館料の収益の一部は東日本大震災義援金として寄付されます。
※展覧会タイトル、内容は予告無く変更となる場合があります。

1971年フランス南東部の都市リヨンに生まれ、早くより美術家を志したギヨム・ボタジは、10代後半を過ごしたイタリアで15、6世紀のルネサンス絵画に触れ、その魅力に圧倒されて以来、古典的な技法にこだわりながら、豊かな色彩感覚と他に類を見ない独創的なイメージで抽象絵画の新たな可能性にチャレンジしてきました。どれも題名を持たないボタジの絵画は、作者の意図を探ることを拒みつつ、見る者に無限のインスピレーションを与え、その想像力を刺激して止みません。入念に計算された構図、幾層もの奥行きや時間の流れ、色鮮やかに描き出された有機的な形態は、キャンバスの限定された空間を飛び出し、未だ見ぬ異次元の世界へと私たちを誘います。

ギヨム・ボタジ展 – HOPE 2011では、アーティストが自ら選ぶ代表作約15点の展示に加え、ボタジがデビュー当初より精力的に取り組んでいるウォール・ペインティング(壁画)を、実際に美術館の外壁を使って制作、その制作過程を公開します。キャンバスや紙の上の作品同様、繊細な筆1本から生み出されるボタジ独自のイメージは、建物の外観や街の景観を変えるばかりでなく、そこに暮らす人々の意識/無意識にもさまざまな影響を与えるにちがいありません。制作期間中に開催される説明会やワークショップも、ボタジの創造の核心に迫るうえで貴重な機会となるでしょう。

今年3月11日に起きた東日本大震災のニュースをフランスで聞いたボタジは、大きなショックを受け、以来、日本で自分にできることは何か、それを考え実現したいとの気持ちを強くしたと言います。これまで自作のすべてを無題としてきたボタジが、本展に限り「HOPE = 希望」と冠することを許可したのも、そうした自らの姿勢を明らかにしたものといえます。

France × Japon : ensemble pour demain 日本とフランス、共に明日に向かって

フィリップ・フォール駐日フランス大使の主導によって始まったキャンペーン「日本とフランス、共に明日に向かって」は、被災地復興支援のためにアーティストと文化界を結びつけ、さまざまな文化プロジェクトを通して、日本を長期的に側面支援していこうとするプログラムです。本展では、このキャンペーンと連帯して入場料収益を東日本大震災の復興支援に向けた義援金とさせていただき、微力ながらも、被災地の方々への一助となりたいと願っております。展覧会、壁画の公開制作、ワークショップで探るギヨム・ボタジの魅力。是非ご家族、ご友人お誘い合わせの上ご来館ください。

公式サイト http://www.guillaume.bottazzi.org/

ギヨム・ボタジの主な展覧会歴
1971
フランス、リヨンに生まれ、美術家を志し、10代後半をイタリアで過ごす。

1990
イタリアでプロの画家としてスタート。

1992
イル・ド・フランス地方で壁画を制作。

1993
リヨン(フランス)で個展開催。
リール(フランス)で「Bleecker Street 1993」ほかに出品。

1994
パリのGalerie du Templeでのグループ展ほかに出品。

1995
ロンドンのLogos Art Gallery で個展開催。
フィリピン、台湾でのグループ展ほかに出品。

1996
ブリュッセル(ベルギー)のGelerie Zinzenで個展開催。
ダーバン(南アフリカ)でのグループ展に出品。
この年より2005年にかけてローヌ=アルプ地域圏(フランス)で壁画を制作。

1997
ニューヨーク(アメリカ)、Art 54 Galleryでのグループ展ほかに出品。

1999
リヨンのGalerie Artisほかで個展開催。

2000
パリのGalerie Vekavaほかで個展開催。
ベルギーのLineart Art Fair 2000に出品。
2000年代初頭をニューヨークで過ごす。

2001
香港で個展開催。
ドーハ(カタール)のContemporary Art Fairに出品。
ニューヨーク、Goldstorm Galleryほかでのグループ展に出品。

2002
ベルリンのZandi Galleryで個展開催。
ミネソタ、サウスウェストミネソタ州立大学美術館のWhipple Galleryほか、アメリカ国内でのグループ展に出品。

2003
ニューヨーク、Annex Galleryのほか、ブリュッセル、ベルリンで個展開催。

2004
Artist Residency Tokyo(東京)、Galerie Claude Dorval(パリ)で個展開催。
デンバー(アメリカ)、ニューヨーク、バルセロナ(スペイン)でのグループ展に出品。

2005
ブダペスト(ルーマニア)、Florean Museumでのグループ展に出品。
この年より2007年にかけてブルゴーニュ(フランス)で壁画を制作。

2006
シュポール/シュルファスの作家など、フランスのコンテンポラリーアートを紹介するギャラリー五辻(東京)で個展開催。
ヴィエンヌ(フランス)のNational Museum of Fine Artsで個展開催。
モスクワ(ロシア)のNational Center of Contemporary Art のほか、リヨン、ニューヨーク、インディアナ(アメリカ)、ノヴォシビルスク(ロシア)などでのグループ展に出品。
プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏(フランス)で壁画を制作。

2007
リヨン、Galerie de Bellecourで個展開催。
National Center of Contemporary Art(モスクワ)、Centre de Cultura Contemporania(バルセロナ)などでのグループ展に出品。
この年より2009年にかけてローヌ=アルプ地域圏で壁画の制作。

2008
ブリュッセルのGalerie Art Fort Reveurで個展開催。
香港、ロシア、ニューヨーク、ブダペストなどでのアートフェア、グループ展に出品。
プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏で壁画を制作。
ラングドック=ルシヨン地方(フランス)で壁画を制作。

2009
東京、ギャラリー五辻で個展開催。
オーベルニュ(フランス)、ローヌ=アルプ地域圏で壁画を制作。

2010
六本木アートナイト(東京)に参加。
プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏、ローヌ=アルプ地域圏、ラングドック=ルシヨン地方、およびブルゴーニュで壁画を制作。

現在
ブリュッセル(ベルギー)在住。

主な受賞歴
DRAC, France(フランス文化省)主催、Competitionfor Studio and Apartment
Artist Residency in Tokyo(A.R.T 財団)

主なパーマネントコレクション
William Whipple Art Gallery, Museum of Southwest Minnesota State University, USA
Queen Shorough, Community Collection Art, Queen, USA
Musee de la Poste, Paris