
ヤノベケンジ展
「トらやんの大冒険」
本展では、彼自身が初めて手掛けた絵本「トらやんの大冒険」を、直筆の原画と制作ドキュメント写真で紹介し、絵本には収録されなかった「トらやん」の北海道上陸譚も、本展のために特別に構想されたインスタレーション作品で堂々の初公開した。
トらやんとは?
3歳児用放射能防護服、黄色のミニ・アトムスーツを身にまとった「トらやん」は、もともとヤノベケンジの父まさのぶ氏が、定年退職後に始めた腹話術の人形「ケンちゃん」でした。バーコード頭にチョビヒゲという子供おやじメイクを施され、ダミ声で話し歌うケンちゃんは、ヤノベケンジの創り出すフィクションの世界とリアルな現実とを媒介する新たなキャラクター、なにわの「トらやん」となったのです。愛らしい表情でポーランド民謡「森へ行きましょう」を歌う「トらやん」、ミニチュアサイズでさりげなくポーズをとる無数に増殖した「ミニ・トらやん」、子供の命令で火を噴く超巨大ロボット「ジャイアント・トらやん」…
大人と子どもが融合したかのような不思議な魅力と毒気を放ち続けるなにわの「トらやん」、胸のガイガーカウンターに刻まれていく数値が私たちに示してくれる未来へのビジョンとは?
絵本「トらやんの大冒険」について
“ある夜 星を見ていたら ひかりのかけらが落ちてきた。「流れ星?」それは小さな小さな太陽だった。”
ヤノベケンジが初めて手掛ける絵本「トらやんの大冒険」は、妄想のファンタジーと、現実のドキュメントによる。小さな小屋にひとり住む主人公・「トらやん」が、小さな太陽を拾い上げ、やがてたくさんの仲間と共に、大きな太陽へと成長させていく冒険ストーリーです。