
東松照明 太陽の鉛筆
主催 | 札幌宮の森美術館+NPO法人CAPSS |
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企画協力 | AKIO NAGASAWA Gallery 東松照明オフィス INTERFACE |
東松照明は日本各地の米軍基地周辺の人物や風景を被写体とした「占領」シリーズにおいて基地を通して戦後の日本を見つめ直し、『〈11時02分〉NAGASAKI』 では、長崎に投下された原爆の記憶を辿るなど、常に時代への鋭い視線と共に写真表現の可能性を切り開き、戦後の日本写真界を牽引し続けてきた存在です。
『太陽の鉛筆』は、東松の作品群の中で最も重要なもののひとつと位置づけられています。東松がカメラを向けたテーマは多岐に渡りますが、生涯を通じてこだわり続けたのが“沖縄”でした。このシリーズは、1969年に沖縄と出会って以来、彼の地が持つ強靭かつ広大な精神の領域によってアメリカニゼーションを拒み続ける姿に魅れ、アメリカ占領下から本土復帰に至る沖縄、八重山諸島や宮古島の祭祀や風俗をテーマに、時代に翻弄されながらもたくましく生きる人々の暮らしを精力的に撮影したものです。その視線は日本という枠を超えて東南アジアへと展開し、環太平洋における島嶼文化の基層を探る写真的実践として高い評価を得ています。