日本現代美術

ミラールーム

草間彌生

制作年 1997
材質、技法 ミクストメディア(鏡、木、布、ライト)
寸法 195.0 × 87.5 × 86.0 cm(台座ふくむ)
著作権 © 2024 YAYOI KUSAMA

1929年長野県生まれ。幼少期から見るものすべてが水玉で覆われてしまう、犬や花が人間の言葉で話しかけてくるといった幻視・幻聴を体験し、その恐怖から逃れるために、それらを絵に描いたという。

1954年に初個展を行うなど、日本で活動していたが、1957年に渡米。以降、ネット・ペインティング、ソフト・スカルプチュア、鏡や電飾を使ったインスタレーションやハプニングなど多様な展開を見せ、前衛芸術家としての地位を確立。単一モチーフの強迫的な反復と増殖による自己消滅という芸術哲学を見出す。1973年に帰国すると小説や詩集を発表するなど活動の幅を広げ、1983年には第10回野性時代新人賞を受賞。1994年以降は野外彫刻を世界中で手がけ、その作品が街中で見られるようになる。

1965年以降繰り返し制作しているミラールームのシリーズのうちの一つでもある本作は、両面鏡張りの立方体の部屋の形をしている。男根をイメージした水玉模様のぬいぐるみが鏡の反射で無限に増幅し、きらめく万華鏡のような没入感が鑑賞者を襲う。と同時に、反復と増殖から生じる自他の境目が消えていくような感覚が鑑賞者を覆う。つまり、草間が求めた「自己消滅」という芸術哲学がまさに反映されている作品だと言えるだろう。