作品
宮脇愛子
制作年 | 1961 |
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材質、技法 | 油彩、大理石粉、カンヴァス |
寸法 | 82.0 × 132.0 cm |
著作権 | © 2024 Aiko Miyawaki |
1929年東京生まれ。阿部展也、斎藤義重に師事する。1957年から66年にかけて欧米各地に滞在し、制作活動を行なう。真鍮、石、ガラスを用いた立体作品のほか油彩や墨絵を制作。ミラノ・パリ滞在時には、大理石の粉を混ぜて表面に凹凸をつけた抽象絵画を制作していたが、ニューヨークから帰国した1960年代半ばから主に金属を用いた彫刻の制作に移行する。現在、一連の彫刻作品「うつろひ」の作家として国際的に知られている。
1960年前後の《WORK》というタイトルのついた平面の連作は、大理石の粉を混ぜた絵の具を使って、鳥を思わせる微妙なレリーフ状のパターンを、平面上に差異を伴いながら反復した作品群である。表面から微かに浮き上がり、微妙な光と陰の交錯を見せる石の混ざった絵の具のレリーフは、照明や見る者の位置の変化に応じて刻々違った姿を見せる。この作品では、宮脇にとって筆触そのものというよりも、大理石の粉を含む絵の具をパレット・ナイフを使って画面にのせてゆく、もしくは刻印していく、その彫塑的な感覚が重要である。この感覚は1960年代半ばから後半にかけての真鍮のパイプによる立体の作品群に展開していく。